犬山紙子のイラストエッセイ

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zoom RSS 家を流された友人

<<   作成日時 : 2011/03/27 19:55   >>

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前回、私の地震体験を続き物で書いていたのですが、
今、ゆりあげに住んでいた友人から、家を流された話を詳しく聞いたので、
鮮度が落ちないうちに、地震、津波の被害にあったナマの声をみなさんに届けたくて先にこちらの記事を書こうと思います。

実際被害にあった人がどのような状況なのか、それをたくさんの人に知ってもらって、自分たちがどういう心構えで、どういうことをすればいいか、を考える参考になれば幸いです。



名取市閖上(ゆりあげ)

テレビでこの地名を聞いた人も多くいると思う。

名取市の太平洋に面した港町である。

私も何度か行った事がある。

家族でおすしを食べに行ったり、
(よくおすし屋さんのCMがテレビでも流れていた)

高校時代、港に船をスケッチしに色鉛筆とクロッキー帳を持って電車で出かけたり、
(OKURAのもやしTシャツを着ていったことを今でも覚えている・・・・。胸のところに、もやしって書いてあった・・・)

コロッケと初めて一緒に行った海もこのゆりあげ。
(この時コロッケは何故か砂浜の砂をガツガツ食べ始め速攻動物病院送り)

私のイメージだと、人の心が温かい活気のある港町。


そんな閖上が今回の津波により壊滅的な被害を受けた。

閖上の被害についてはここのページを見てもらえるとわかりやすいと思う↓
http://freesia.arch.ues.tmu.ac.jp/TohokuEQ2011/201103/msg119.2.pdf


そんな閖上の実家に住んでいた私の友達Y君。

今日(3月27日)、小一時間会う事があったので詳しく話を聞いた。


Y君は私と同い年の29歳で、既婚者。
3歳、2歳、半年、の小さい子供が3人いる。

地震当日、Y君は仕事で閖上ではない場所に車でいたと言う。

奥さんも病院勤務で3ヶ月の子供を連れて閖上以外の街にいた。

さらに、上の子供2人も閖上以外の街の保育園にいたそうな。

なので、閖上の家にはY君の弟と母親がいたそうな。

ちなみにY君のお父さんは先日亡くなられており、49日もまだたっていない状況であった。


そんな状況での地震。

最初、Y君のお母さんは地震の片づけをしていたようである。
しかし、弟さんが
「津波が来る!やばい!」
と察知したようで、母親を連れてすぐに高台に避難したそうだ。

(ごめんなさい、どこに避難したかは聞き忘れました)


閖上には小さな山があるそうだが津波はその山をも楽々超えていったという。
その山頂に避難した人たちはみな流されてしまったらしい。


Y君の友達は、目の前で奥さんと小さな子供が流されたそうである。

Y君の家族は弟の機転によりみな奇跡的に無事だったのだ。



いや、全員が無事ではなかった。

Y君が大切に飼っていた愛犬のシベリアンハスキーと豆柴は津波にのまれてしまったそうである。

犬が流される・・・・・・・・


それはそこまで切羽詰っていたのを物語っている。

弟さんは、とにかく母親の命を救わなければならない。
それで頭がいっぱいだったのだ・・・・・・・




Y君はなんとか家族と連絡を取りあい、その日のうちの安否を確認でき、家族のいる避難所へと奥さんと子供を拾って向かった。


とりあえず、家には戻れないことを知り、Y君一家は避難所で生活する事になった。



避難所での生活はとてもつらかったと言う。

1家族に毛布が1つか2つもらえるだけ。
なので毛布は小さい子供たちにかけ、大人はぶるぶる震えていたそうだ。

食事も、1家族にパンが1つか2つである。
これを家族で分け合うのだ。

3ヶ月の子供はまだおっぱいを飲んでいたが、奥さんはショックで母乳がでなくなってしまい
避難所にあった粉ミルクを飲ませていたそうだ。

水はペットボトルの蓋に注いだものをちょこちょこしかのめない。

もちろん、電話も通じない。

余震が来るたびに、もう物心のついている上の子供が泣き叫ぶ。
トラウマになってしまっているそうである。

そんな状況での避難所生活である。


一晩あけ、Y君は家の様子を見に行く事にした。

津波が2階まできているかもしれない、

とか

家の物はもうほとんど使えないだろうな

とか

もしかしたら家が流されて移動してしまったかもしれない

とか、いろいろ心の準備をして行ったそうである。

























しかし、現実派もっと残酷で、家が跡形もなかったのだ。

全く何もないのである。

それはY君の家だけではない。

Y君の家の周り一体、全てが何もないのだ。

一緒にいた母親は泣き崩れたそうだ。

地震の直前、亡くなった旦那さんの遺品を整理していた彼女。

残すもの、処分するもの・・・・・・・・そんなこと関係なく全てが流されたのだ。

お墓も流されてなくなってしまった。

遺骨もないのである。






Y君だってきっと泣きたかったはずだ。

自分の小さいころの写真や、父親との思い出の品、自分の子供の思い出の品、お気に入りの洋服や、この間お給料でかったばかりのテレビ・・・・・・・・

何もかもすべてないのだから。

犬を探そうとも思っていたそうだが、それも絶望的なのはわかったそうだ。

まだ20代のY君が一家を背負っていかなければいけない。
その重圧だって絶対ある。

























それに遺体がたくさん港のたまり場などにあったという。
テレビでは遺体は映さない。

から、実際の状況はなかなか伝わりにくい。

しかし、現実には多数の遺体が街に存在するのだ。
遺体を実際見ないのでは大幅にこの震災のむごさ、えぐさは伝わらないと思う。


もしかしたらY君の知り合い、言葉を交わした人、顔見知りの人がその中にいるかもしれないのだ。


私だって宮城で暮らしていると言えど遺体は見ていない。
震災の実質はぜんぜん理解できていない状況だろう。



いろんなものを失くし、災害の惨たらしさを見せ付けられたY君。

しかし、Y君は母親の肩をガッチリ抱いて励ましながら避難所へ戻ったそうである。

そして、寒く、食料のない生活を続け、奥さんの実家と連絡がやっととれた3日目に奥さんの実家へ家族で避難したそうだ。



そこからも大変である。

まずは手持ちのお金がない。
しかし銀行でおろそうにも通帳もカードも全て流されている。

はんこだってない。


印鑑証明からスタートなのである。

幸い、Y君の職場は無事で、仕事は失わずに住んだそうだ。

「何かほしいものとかない?」

と何度聞いても


「友達たちが赤ちゃんのおむつとか服とかいっぱいくれて震災前よりモノがいっぱいあるくらいだよ」

と元気に笑うY君。

そうなのだ。
被災してから良く聞くのは
被災した人同士で助け合っているということ。

自分の家がないのにボランティアをする人や
自分の食料だって足りないのにおにぎりを握って人々に配る被災者など・・・・・


被災者自身が、助け合っているのだ。

このことを聞くと私はいつも本当に素晴らしいなと感動する。
震災で唯一明るくなれる話なのだ。


「この津波で俺は家をなくしたけど、まだ家族が無事で仕事もあるから本当にましなほうだよ。心配なのは商店街のおじいちゃんやおばあちゃんたち。家も職業も住み慣れた街も全て失ってしまってるからね・・・・・・」


自分もすごく大変なのに人のことを心配するY君。

確かに、Y君は職があり、若い。

でもおじいさんやおばあさんで職を失ってしまった人たちはどうすればいいんだろう・・・・・・。




震災から16日たった今、避難所の状況はだいぶ良くなっているようである。
ボランティアの人たちも食料も暖かさも届いたそうだ。

関西の仮設住宅に移り住んでいった人たちもいるそうである。




Y君もやっと新しいアパートの契約を今日したそうだ。

Y君は

「アパートは早めに出て家族が多いから早く1戸建を買いたいよ。今度は安全な場所に」

と笑った。

本当に強いなあ、と思う。

けど、強くない人だっている。




商店街のお店ごと根こそぎ持っていかれてしまったおじいさんやおばあさん、おじさんやおばさん、
もちろん強い人もいるだろうが、弱くて当たり前だと思う。


今後そういった人たちの
これからの生きがいや、仕事とかそういったものにつながる事の手助けをすることがとても大切なのではないか、

そんなことを思った。


Y君の笑顔に、家が無事だった私が勇気をもらったそんな一時間だった。




最近テレビは普通の番組が流れ、すこし震災前の感覚になっていた。
これが悪い事では全くない。


けど、決して忘れてはいけないことがある。

忘れないで笑顔ですごせたらとてもいいと思う。





そして、本日仙台空港に行ってきた。

http://www.youtube.com/watch?v=w3VBHPQ_BH8
↑(地震直後の空港)

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奥に見えるのが空港



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小さな飛行機が遠くまで(2キロほどか)流されている。





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家族でよく食べにいったまこと寿司。
障碍者に優しいバリアフリーのお店でお寿司もすごくおいしかった。

幸い建物は流されていない。
けど、もう店の中がめちゃくちゃである。



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これは川や海じゃない。
津波の水がいまだにひかない田んぼである。



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テレビではなくナマの目でこの光景を見たら、やはり言葉がでなかった。






今回お亡くなりになった方々のご冥福を心よりお祈り致します。

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コメント(7件)

内 容 ニックネーム/日時
行ってみたのですね・・・。

地震から丸4日停電だったから
テレビが見られず、
何がどうなってるのか
わかりませんでした。
ラジオは聞けたけど、
言ってること、ほんとかよ、って感じで。

自転車で行くにはちょっと遠いから、
私はしばらく行けないかなぁ・・。
亡くなった方々、動物達に
心からお悔やみ申し上げます。

ど変態
2011/03/27 21:20
全俺が泣いた。

東京だけどがんばって生きようと思った。

幸せな今は突然別れを告げる。

でも、生きて行けば楽しいことはもっとあるはず!

被災地で頑張っている人に負けじと東京で経済を動かそう。

そう思いました。

そして


いつも心に犬山先生の下ネタを。

N人間
2011/03/28 13:19
学生時代に研究会で閖上に行ったことがあります。「閖上」を「ゆりあげ」と読めるのは仙台近郊に住む人だけだと思っていました。その地名がこんな形でTVで連呼されるとは想像もしていませんでした。

報道されるのは被害のほんの一部です。川内に住む学生時代からの友人と電話で話しました。現実は過酷です。東京に住む私がどんなに想っても,それを変えることなどできません。無力さを感じ,自然の驚異を感じ,そして人の暖かさと強さと弱さを感じています。いつもの下ネタ満載のブログで楽しませて頂いていましたが,そこには貴方の観察眼の鋭さと高い感受性がありました。被災地を目の当たりにした衝撃と,被災されたご友人と接するときの気遣いなど,思いを巡らせると胸に込み上げてくるものがあります。

想い出の品は残っても,想い出は消えません。でも,遺品への想いの強さは私も実感していますので,それを失われた方の悲しみがどれほどのものかは,少しは判るつもりです。

私にできることは,日本の将来を背負う若者を育てるという仕事を全うすること,少しでも節電・節約をすること,小遣いを義援金にして送ること,ガソリンが高くても店が早く閉まっても品揃いが悪くても不満に思わないこと,貴方のブログの更新が少なくなっても我慢すること・・・これくらいしかないです。

貴方自身も,御家族一緒にこの難局を乗り切られることを,ファンの1人として切に祈っています。
ざうさん
2011/03/29 10:19
申し訳ありませんが、気持ち玉に当てはまるものがありません。なんと言っていいのか判りません。涙だけ出て来ます。
猫二匹
2011/04/02 13:15
犬山さんのブログいつも楽しみにしてます 今回の地震で色々大変な思いをされた事 辛いのに書いて下り有り難うございます 私も微力ながら被災地の役に立てばと思ってます 特にニュースであまり出ないですが被災地の動物も気になります 動物は後回しになりがちなので心配です それと犬山さんの楽しいブログが早く戻りますように
はなぶた
2011/04/03 18:51
ド変態さん
ど変態さんも無事でほんと何よりです!
このハンドルネームのせいでまじめな内容でもついついふいてしまいますがwww

N人間さん
私もつらいときもシモネタは忘れやしません!

ざうさんさん
そこまでしっかり今できること、を考えてくださるだけで被災地の人たちは心強いと思いますよ!

遺品、本当に1つでも見つかればいいな!

猫二匹さん
涙を流してもらえて、私も少しほっとできました!
ありがとう!

はなぶたさん
動物、気になりますよね。
できたら一時引取りしたいのですが・・・・
家族と相談ですね!
犬山
2011/04/22 00:59
最近犬山さんのブログを知り、本も買わせていただきました!楽しく読ませていただいてます(*^^*)
私も写真の近くに住んでました(今は別なところに住んでます)、離れてるところでも助けてくれる方がたくさんいたことに今でも嬉しく思います。日本って素晴らしい。
これからも楽しくブログ読ませていただきます(*^^*)
せろり
2011/11/11 18:19
家を流された友人 犬山紙子のイラストエッセイ/BIGLOBEウェブリブログ
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